ヨガの道しるべの内容を元に動画を作成してみました。どうぞご覧ください。

(日本語訳) 
第1話:ヨガが何を目指しているのか?

●何のためにヨガをしていますか?

多くの人が健康や美容を目的にヨガをしています。ヨガをしていると、柔軟で動きやすく、適度に筋力がある健康な肉体になります。ストレスも減って、心も健やかになります。ヨガは心身の健康にとても大きな効果があります。健康意識が高まるにつれて、老若男女を問わず、多くの人々がヨガに関心を持つようになるのは当然のこと。その流れはこれからもどんどん広がっていくでしょう。

でもヨガの本質はフィジカルなエクササイズではありません。ヨガの本質は「命の源を探求し、本来の自分に還ること」です。別の言い方をすれば、「スピリチュアルな成長を遂げること」あるいは「自らを意識的に進化させること」です。

あなたは、そのようなことを意識してヨガをしていますか? フィジカルなエクササイズとしてのヨガだけで満足しているのであれば、それで構いません。今のあなたはフィジカルなエクササイズを楽しむときなのでしょう。それを満喫してください。でもいずれ、それだけでは、飽き足らなくなるときがくるでしょう。命には、肉体を超えたレベルへと成長したい欲求があります。輪廻を繰り返しているうちに、いずれは誰もがその欲求に気づくときがきます。

命は成長しています。命は進化しています。命には向かうべきところがあります。命の源は抽象的なものではなく、本当に存在しています。あなたは、ヨガを通じて、そこに向かって歩んでいることを自覚していますか? 明確には意識していないかもしません。でも、深層意識のレベルでは、すでに多くの人がそのことに気づき、そこに向かって歩みを進めています。世界中で多くの人がヨガに興味を持つようになったのは、その現れです。

●苦労を手放す

命が進化したら、苦しみが増えると思いますか? もちろん、そんなことはないでしょう。喜びが増えて当然です。では、命の進化を促すには、苦しみに耐えて努力した方がいいと思いますか? 喜びを感じた方がいいと思いますか?

こう問いかけると、喜びを感じる方が良いのは、当たり前のように思うかもしれません。でも、多くの人の心には、「良くなるためには、苦労しないといけない」という考えが深く刷り込まれています。例えば、身体を動かすヨガの練習中、痛みや不快感に耐えなければならないと思っているかもしれません。多くの人にとって、苦労を良しとする概念を手放すことは、決して簡単なことではありません。でも命の進化を促したいのであれば、その概念を手放すことは必須の要件の一つです。

●喜びを感じる

ヨガでは、本来の自分は歓喜に満ちているとされています。本来の自分に還るということは、「常に喜びに満ちた状態でいる」ということでもあります。アーサナをするときは、喜びが感じられるように、気持ち良く行なってください。つらいのを我慢してアーサナをしていたら、それはヨガの目指す方向から遠ざかってしまいます。喜びに満ちた状態になるために、アーサナを利用してください。

スピリチャルなことを興味がある人たちの多くは、このことを理解しています。そのような人たちは、ワクワクした情熱を感じることを大事にしています。彼らは「いろんなアプローチがあるけど、みんな目指しているところは同じだよね」と言います。目指しているところが分かっているからこそ、アーサナ以外にもいろんなアプローチのあることが分かるのです。いろんなアプローチがあるけれど、そこには共通点があります。それは喜びを感じること。気持ち良さを感じること。ワクワクした情熱を感じること。そのような体験が、スピリチュアルな成長を促してくれます。

●全ての瞬間をヨガにする

心と体が健やかな方が、喜びに満ちた人生を送りやすいので、アーサナはとても役に立ちます。でも、アーサナは補助輪の一つに過ぎません。ワクワクした情熱を感じられることを大事にしてください。喜びに満ちた本来の自分に還ることを意識してください。そのことを意識していると、アーサナをしているときに限らず、生きている全ての時間がヨガになります。一瞬一瞬を喜びに満ちて生きる。それがヨガ的な生き方を実践するということなのです。

※今後もときどき動画を作ろうと思いますが、来月からヨーガスートラの解説を再開し、そちらを優先的に行うこととします。