前回、既存の反応パターンを消去する方法について書きましたが、今回もその続きです。

いろいろな刺激に対して自分がどう反応しているかに気づき、不要な反応パターンを手放していく。そのやり方を理解しても、実際にやってみると、ついつい衝動的な反応をしてしまい、うまく手放せないことが多いでしょう。むしろ、衝動的な反応をしていることに気がついていない場合がほとんどでしょう。既存の反応パターンを消去するには、意識的な訓練(=ヨガ)を日々行なう必要があるのです。

でも、その訓練はつらいことではありません。不要な反応パターンを手放していくには、ちょっとしたポイントがあります。それは「心地よい感覚」。不要なものを手放すときは、快感が伴うものなのです。

たとえば断捨離。部屋にあるものを手放すとき、最初は葛藤があっても、断捨離をしていくと、手放すのが快感になってきます。もっと分かりやすい例が、トイレでの排泄行為。要らないものを手放すときは、気持ち良い快感を伴うものなのです。

自分の中で起こる「情動」に気づき、それに対して衝動的な反応をせずに、それがどんな情動であれ、それを許し、そのまま受け入れていく。そのプロセスの感覚は、トイレでの排泄行為と似ています。それもそのはず。これまでに溜めていたものを手放して楽になるということは、まさに排泄行為そのものなのです。

ただし、トイレと違って、反応パターンは意識的に排泄しないと、どんどん溜まり続けていきます。それはトイレに行かないで、排泄物をため込み続けている状態。そんな日々を過ごしていたら、心身の状態は悪くなって当然です。

でも、ほとんどの人は、ちゃんと排泄しないで、どんどんため込み続けていながら、それが普通だと思っています。もちろん、心身の調子はだんだんと悪くなっていきます。でも、それが当然で、仕方のないことだと思っています。

ちなみに、普通の排泄物の場合、膀胱や直腸が一杯になったら耐えられなくなるでしょう。でも、反応パターンは死ぬまで溜まり続けます。別の言い方をすれば、反応パターンの蓄積による不調が老化の主因で、それが限界に達したら肉体を手放すことになるのです。(ここでもう一度、前の段落を読み直してみてください)

気持ち良くヨガをしている人たちは、実年齢よりも若々しい方が多い。それは、心と体に溜まった要らないものをちゃんと排泄しているから。溜まっていくペースと、排泄するペース。それらのバランスが取れていると、心身は若々しく、いい状態が保たれるのです。

私自身の感覚でも、ちゃんと排泄ができているところに関しては、老化が進まず、むしろ若返っているのを感じます。それはつまり、意識を向けて、気持ち良く感じるようにしているところは、老化しないということです。

でも、まだ心身のすべてについて、それが出来ているわけではありません。パーツ毎にみると、溜まっていくペースが上回っているのを感じる部位もあり、まだまだ課題がたくさんあります。心身の隅々にまで意識を向けて、全身で気持ち良さを感じる。それがヨガの修行で、そこにはたくさんの可能性があります。

体に負荷をかけて鍛える多くのエクササイズと違って、ヨガはとっても気持ちが良いものです。そして、その気持ち良い感覚にこそ、秘訣があるのです。その快感は、溜まった排泄物を手放す快感と同じ。その気持ち良さを全身で感じていると、心身は自ずと若返って行くのです。


 

排泄部をため込み続けていたら、
調子が悪くなって当たり前。

 

「老化とは排泄物をため込むこと」と心得て、
ちゃんと排泄しましょう!!