*** AIによる解説 ***
原文:
समाधिभावनार्थः क्लेशतनूकरणार्थश्च॥
読み方:
サマーディ バーヴァナールタハ クレーシャ タヌーカラナールタシュ チャ
英訳:
Its purpose is to cultivate Samadhi and to weaken the afflictions (kleshas).
和訳:
その目的はサマーディ(精神統一)を育み、苦悩(クレーシャ)を軽減することである。
各単語の日本語での意味:
समाधि (samādhi):サマーディ、精神統一、瞑想の最終段階
भावनार्थः (bhāvanārthaḥ): その状態(サマーディ)を育むため
क्लेश (kleśa):苦悩、苦しみ、心の障害
तनूकरण (tanūkaraṇa): 弱めること、軽減すること
अर्थश्च (arthashcha): 〜のため、そして
解説:
この節では、ヨーガの実践がもたらす二つの主要な目的について述べています。
1.サマーディの育成(समाधिभावनार्थः):
サマーディは、ヨーガの最終的な目標とも言える状態で、心が完全に静まり、自己(真我)と一体化する深い瞑想の状態です。クリヤヨガやその他の実践を通して、この精神的な統一を育むことがヨーガの一つの目的です。
2.クレーシャの軽減(क्लेशतनूकरणार्थः):
クレーシャとは、苦悩や心の障害を指します。具体的には次の5つがクレーシャとされています。
アヴィディヤー (Avidyā): 無知、真実を知らないこと
アスミター (Asmita): 我執、エゴの意識
ラーガ (Rāga): 執着、欲望
ドヴェーシャ (Dveṣa): 嫌悪、憎しみ
アビニヴェーシャ (Abhiniveśa): 死への恐怖、生命への執着
これらのクレーシャは、人間の苦しみの根源とされており、ヨーガの実践によってこれらを弱め、心の平穏を取り戻すことが目指されます。
まとめ:
本節は、ヨーガの実践が「サマーディの達成」と「心の苦悩の軽減」という二重の目的を持つことを示しています。これにより、人は自己の真の姿(真我)を理解し、解放(モクシャ)への道を進むことができるとされています。
*** ここまではAIによる解説。以下はそれを踏まえての解釈です ***
ポイント1
本節は、AIによる解釈の通りで問題ないでしょう。第1節のヨガの実践により、サマーディに近づくとともに、クレーシャ(苦悩や煩悩など)が軽減されるということ。なお、クレーシャについてAIが少し解説していますが、これは次節以降に詳しく述べられているので、ここでは深掘りしないでおきます。
ポイント2「サマーディ (samādhi)について」
समाधि (サマーディ、samādhi) という言葉 は、以下の3つの要素から構成されています。
1. सम (sama): 同じ、調和、平等
2. आ (ā): 強調、完全に
3. धि (dhi): 集中、置く
これらが組み合わさり、「完全に対象と結びつく。調和の中で統合する」という意味になります。サマーディは、完全な一体性を達成した状態のこと。「一体になる」というのは、自己と対象、あるいは自己と宇宙の境界がなくなることを意味します。
普段の私たちは心や肉体に囚われた自己を「私」だと考えていますが、サマーディでは、自己(アートマン)と宇宙の根源(ブラフマン)が一つであるという境地に至ります。それはつまり、永遠で変わらない真我が自らの本質であることを理解するということでもあり、いわゆる「梵我一如(ぼんがいちにょ)」の実現でもあります。
ポイント3「バーヴァナ(bhāvanā)について」
「bhāva」は「状態、感覚、存在、心のあり方」などを意味します。そして「bhāvanā」は「心を育むこと、感じ取ること、意識的に思考を育てること、特定の状態を心に深く浸透させること」などを意味します。このバーヴァナ(bhāvanā)は、仏教やヨーガ哲学では「心を特定の状態に育てる実践」を表す言葉として使われます。例えば、慈悲の心を育てる「慈悲の瞑想」は、メッター・バーヴァナー(mettā bhāvanā)と呼ばれます。
以上を踏まえて、第2章の本節までを訳すと、以下のようになります。
第1節:タパス(肉体を浄化して整えること)、スヴァーディヤーヤ (知的な理解を深めること)、イーシュワラ プラニダーナ(神に委ねること)。それらの実践によりヨガを成し遂げることができる。
第2節:その目的は、サマーディの状態に至るとともに、クレーシャ(苦悩や煩悩)を弱めていくことである。