サンスクリット語:
तपःस्वाध्यायेश्वरप्रणिधानानि क्रियायोगः ॥२.१॥
日本語訳:
苦行、自己学習、神への献身が行為のヨーガである。
カタカナ読み:
タパス スヴァーディヤーヤ イーシュワラ プラニダーナーニ クリヤーヨーガハ
語句の意味:
タパス:「苦行」または「自己浄化のための厳しい修行」。身体的、精神的な忍耐を通じて、自己制御を養うことを指します。
スヴァーディヤーヤ :「自己学習」または「聖典の学習」。自分自身を理解し、精神的な知識を深めるための勉強や探求を意味します。
イーシュワラ:「神」または「最高の存在」。全宇宙を司る神聖な力を指します。
プラニダーナ :「献身」または「委ねること」。神に対する無条件の信頼と献身を示します。
クリヤ :「行為」または「実践」。意図的な行動や努力を指し、ヨーガにおいては修行を通じた行動を意味します。
ヨーガ :「ヨーガ」または「結合」。心身の統合や、究極的には個人と宇宙意識の結合を意味します。
解説:
この節は、ヨーガの実践における3つの重要な要素を示しています。まず、「タパス」(苦行)は、自身の限界に挑戦し、自己を浄化するための努力を指します。「スヴァーディヤーヤ」(自己学習)は、聖典の学習や自己探求を通じて、内面的な理解を深めることです。そして、「イーシュワラ プラニダーナ」(神への献身)は、個人のエゴを超えて、神聖な力に身を委ねることを意味します。これら3つを統合することが、行為を通じてヨーガの目的である心の統一と解放を達成する道となるのです。
*** ここまではAIによる解説。以下はそれを踏まえての解説です ***
ポイント1「クリアヨーガとは?」
クリヤヨーガという言葉は、「行為のヨガ」と訳されて、ヨガの種類の一つのように扱われることがあります。でもここでは、AIの解説にあるように「ヨーガの実践」と解釈した方が適切でしょう。第2章は、ヨガを実践する上で具体的に何をすべきかが記されていますが、まず第1節において、「タパス」「スヴァーディヤーヤ」「イーシュワラ プラニダーナ」が挙げられています。それらをすることが、ヨーガの実践(=クリアヨーガ)ということです。
ポイント2「なぜ3つなのか?」
「タパス」は肉体的なアプローチです。「スヴァーディヤーヤ」は知的なアプローチです。そして、「イーシュワラ プラニダーナ」は、神的な力を活かそうとするスピリチュアルなアプローチです。そう考えると、それら3つのアプローチは、ボディ・マインド・スピリットに対応していると言えます。「ボディ・マインド・スピリット」の3要素で人は構成されているという視点があると、本節がなぜ重要な要素を3つだけ挙げているのかが理解できます。
ポイント3「タパスは苦行か?」
タパスは苦行と訳されることが多いけど、もともとは「熱」を意味する言葉であり、「焼き尽くして浄化する」というニュアンスです。「苦」が必須という訳でありません。タパスが肉体的アプローチの実践を指しているとすれば、必ずしも苦行に限らず、肉体を浄化して整えること全般を指していると理解すべきでしょう。
以上を踏まえて本節を訳すと、以下のようになります。
【ヨーガスートラ・第2章】
第1節:タパス(肉体を浄化して整えること)、スヴァーディヤーヤ (知的な理解を深めること)、イーシュワラ プラニダーナ(神に委ねること)。それらがヨーガの実践である。