*** AIによる解説 ***

原文:
तपः स्वाध्यायेश्वरप्रणिधानानि क्रियायोगः

読み方:
タパハ スヴァーディヤーヤ イーシュワラ プラニダーナーニ クリヤーヨガハ

英訳:
Discipline, self-study, and surrender to God constitute Kriya Yoga.

和訳:
苦行、自習、神への帰依がクリヤヨガを成す。

各単語の日本語での意味:

तपः(タパス): 苦行、自己鍛錬、熱意をもって努力すること

स्वाध्याय(スヴァーディヤーヤ): 自習、聖典の学び、自分自身の内面を観察すること

ईश्वरप्रणिधानानि(イーシュワラ・プラニダーナーニ): 神への帰依、自分を神聖な存在に委ねること

क्रियायोगः(クリヤーヨガハ): 実践のヨガ、行動を通して心身を浄化するヨガ

解説:
この節では、実践的なヨガである「クリヤヨガ」について説明しています。「クリヤ」とは「行動」を意味し、日常生活におけるヨガの実践を指します。この節ではクリヤヨガを構成する3つの重要な要素を示しています:

タパス(苦行・自己鍛錬)
心身を鍛える努力を意味します。体を鍛えるためのポーズ(アーサナ)、意志力を高めるための瞑想、怠け心を克服する規律ある生活などが含まれます。

スヴァーディヤーヤ(自習)
自分の内面を見つめる時間を持つこと、聖典を学ぶこと、自分の思考や行動を観察して理解を深めることを意味します。これは、自己認識と洞察を深めるプロセスです。

イーシュワラ・プラニダーナ(神への帰依)
自分の行動や努力の結果を神聖な存在に委ねる態度です。エゴを捨て、大いなる力に自分を開くことで、精神的な安らぎと信頼を得ることができます。

これら3つの要素を組み合わせることで、心と体を浄化し、ヨガの目標である精神的な解放(サマーディ)への道が開かれます。この節は、ヨガが理論ではなく実際の行動を伴うものであることを教えています。

*** ここまではAIによる解説。以下はそれを踏まえての解釈です ***

ポイント1「クリヤーヨガとは?」

分かりやすくするために、文法的な格の変化を省略して、原文の単語を羅列してみましょう。

「タパス、スヴァーディヤーヤ、イーシュワラプラニダーナ、クリヤー、ヨガ」

これを従来は「タパス、スヴァーディヤーヤ、イーシュワラプラニダーナによって、クリヤーヨガが構成される」という意味合いで解釈しています。しかし、この解釈では「構成する」に相当する語が原文にはないので、勝手に意味を追加していることになります。

「クリヤー」という言葉には、もともと「行為を通じて目的を達成する」という意味合いがあります。したがって、「タパス、スヴァーディヤーヤ、イーシュワラプラニダーナを実践することにより、ヨガの目的を達成することができる」と解釈する方が自然な訳のように思えます。

今では「クリヤーヨガ」という言葉が一般名詞のように使われ、クリアーヨガは「行為のヨガ,実践のヨガ」と理解されています。しかし、それは後世の解釈のせいかもしれません。もともと、クリヤーヨガなんていう名前のヨガは無くて、ヨーガスートラでは「タパス、スヴァーディヤーヤ、イーシュワラプラニダーナの実践により、ヨガを成し遂げることができる」ということを記述しているだけ。原文をそのまま読むと、そのように書かれているように思えます。

ポイント2「なぜ3つなのか?」

「タパス」は肉体的なアプローチです。「スヴァーディヤーヤ」は知的なアプローチです。そして、「イーシュワラ プラニダーナ」は、神的な力を活かそうとするスピリチュアルなアプローチです。そう考えると、それら3つのアプローチは、ボディ・マインド・スピリットに対応していると言えます。「ボディ・マインド・スピリット」の3要素で人は構成されているという視点があると、本節がなぜ重要な要素を3つだけ挙げているのかが理解できます。

なお、タパス、スヴァーディヤーヤ、イーシュワラ・プラニダーナの詳細は、後々説明があるので、ここでは深堀りはしないでおきます。

以上を踏まえて本節を訳すと、以下のようになります。

【ヨーガスートラ・第2章】
第1節:タパス(肉体を浄化して整えること)、スヴァーディヤーヤ (知的な理解を深めること)、イーシュワラ プラニダーナ(神に委ねること)。それらの実践によりヨガを成し遂げることができる。